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[インタビュー]人造人間キカイダー50周年記念!ハカイダー音声時計発売!ハカイダーの声 飯塚昭三 ショート・インタビュー




ハカイダー音声時計の予約開始を記念して、ハカイダーの声優である大重鎮・飯塚昭三さんに当時のお話をうかがってみました!

――ハカイダーのデビューは『人造人間キカイダー』第37話「ジローの弟 強敵ハカイダー!」(編注:飯塚さんのご出演は次の38話から)、これが1973年の3月24日放送ですから、声のお仕事的にはTVアニメ『アストロガンガー』(’72年/主役のガンガーの声)と特撮ヒーロー『サンダーマスク』(’72年/大魔王ベムキングの声)のラスト(終盤)と重なってますね。


飯塚:僕が一番、子供番組のレギュラーが多かった時期の作品だね。大体、当時所属していた事務所・俳協の大宮悌二さんや和久井(節緒)ちゃんと同じになる(録音スタジオで会う)んだよ。大宮さんは僕に会うと「これはこれは悪の天皇」って言う(笑)。「飯塚ちゃんはこの道の第一人者だから」って。


――東映特撮作品のデビュー作『好き! すき!! 魔女先生』(’72年/吸血魔人クモンデスの声)も次の『超人バロム・1』も生田スタジオでの撮影/録音でしたから、声のお仕事としては『キカイダー』が東映東京撮影所での初のお仕事となります。その前にドラマ『柔道一直線』(’69年)の審判役があるんですが、こちらは顔出しだったので。

飯塚:大泉撮影所の、通称・坂の下スタジオね。今はデジタルセンターって立派なところで録ってるけど、昔はプレハブに毛の生えたようなあのスタジオでみんな録ってたからね。『キカイダー』の時は録音は織本道雄さんだったけど、東映では太田克己さん(録音)と菅野順吉さん(編集)には特にお世話になったね。太田さんが怪人としてのセリフや鳴き声を作る。それで自分で喋ってみて、「飯塚ちゃんどう?」って。イヤとは言えないから「いいじゃんいいじゃん」と、その通りに一回言ってみる。そうすると「こうやってみて」、「こう?」と言ってまたその通りに喋る。「その方がいいね」ということになって本番。その間、音効さんは黙って待ってる。


――監督はそれに関して何か言われなかったんですか? 特にサブロー・ハカイダーは畠山豊彦、永野靖忠、北村秀敏の3人の監督が演出されましたが?

飯塚:いや、我々にお任せ。何も言わない。みんな優しかったよ。だからハカイダーに関しては苦労したって記憶がないんだ(笑)。


――ハカイダーの声を演じられるにあたって特に気を遣われた点は?

飯塚:『キカイダー01』(’73年)のギル・ハカイダーは怒鳴ってばかりって印象だったけど(苦笑)、サブロー・ハカイダーは、ドルゲの「ルロロロロ〜〜」とかバンバの「バ〜〜ラバラバラ」とかクモンデスの……


――あゝ飯塚さん、演らなくっていいですから(汗)。

飯塚:いわゆる出現音とかも言わずに、普通に演じられた。セリフもインテリというか知性を感じさせる感じでね。『忍たま』の八方斎もドルゲやバンバ(的な声)じゃダメ。あれはかすれた感じでいかないといけない。そういう意味では、このハカイダーも八方斎もある意味、僕にとっては異色というか、なかなかないキャラクターとして印象に残ってるよ。


――それではお名残惜しいですが、最後にハカイダー時計を買われたお客様、これから買われるファンのみなさんにメッセージをお願いします。

飯塚:時計を買ったらみんなで集まって、時計の声を聞いてハカイダーの声を演ってみてほしい。


――? ものまねですか?

飯塚:そう。それで練習して、ものまね芸人が現れたら面白いじゃない? 野沢のマコさん(野沢雅子さん)みたいに。ハカイダー芸人とか飯塚昭三芸人とか現れないかな?(笑)


――ハカイダー芸人の出現を祈りつつ……ありがとうございました。

(令和4年5月18日 聞き手・構成:岩佐陽一)


■飯塚昭三プロフィール

いいづか・しょうぞう:1933年5月23日生まれ。福島県いわき市出身。特撮ファンにはハカイダーを筆頭に『超人バロム・1』(’72年)の大魔人ドルゲ、『イナズマン』(’73年)の帝王バンバ、『宇宙刑事』シリーズ(’82〜’85年)のラスボス等の声としてカリスマ視されている。アニメ作品では『機動戦士ガンダム』(’79年)のリュウ・ホセイ役やディズニー映画『カールじいさんの空飛ぶ家』(’09年)などが有名。特に『忍たま乱太郎』(’93年)の稗田八方斎役を約30年間演じ、親子二代にわたるファンを生み続けている。シグマ・セブン所属(https://sigma7.co.jp

2023年2月15日、急性心不全のため逝去。享年89歳。