テレビシリーズ終了後も、映司=オーズは何度か「仮面ライダー」の映画に出させていただいていましたが、出演するたび、まさか「次がある」なんて思いませんからね。2017年の『仮面ライダー 平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』にりょんくん(アンク役/三浦涼介さん)と一緒に出演したときも、まさかこうやって4年後にまた『オーズ』の最新作を作るなんて想像もしていませんでした。時代の流れに合わせて、『オーズ』が必要だと思ってくださる方たちがいらっしゃるタイミングで、出演のお話を頂けるというのは、運がいいのかもしれませんね。
もちろん嬉しいです。僕も幼い頃、仮面ライダーの玩具が大好きでした。大人になった今は、かつて夢をもらっていた側から、夢を提供する側になれたんだなあとしみじみ思っています。オーズドライバーも、長い期間にわたって「欲しい」と言ってくださるファンの方たちがいる、根強い人気があるのはとてもありがたく、喜ばしいです。
『オーズ』のテーマは「欲望」でした。欲望にもいろいろありますけれど「金銭」にまつわる欲望って、わりとわかりやすいですよね。メダルというのは、お金とダイレクトに結びつきやすいアイテムだなと思うんですけれど、それがメインライターの小林靖子さんの作るストーリーにうまく絡んで、人々の欲望、欲求を掻き立てるようになっていたんじゃないでしょうか。バンダイさんの商品の魅力と、欲望を呼び起こすお話の魅力の相乗効果(笑)。実際、メダルを見ていると集めたくなりますよね。手軽ですし、大きすぎない。コレクション心をくすぐるアイテムで、今思い返しても画期的だったなあと。
発売された商品も持っているんですけど、撮影に入る前バンダイさんから「練習用」のベルトを頂いて、それを使って家で変身の練習をしていたことがあります。まだ工場生産に入る前の一点もので、塗装が施されていないものです。メダルを装填して、オースキャナーを構えるまで、体に馴染ませるまで頑張って練習しました。第1話で変身したときは、映司としても初めての変身だから、手慣れていなくても大丈夫でしたけど、だんだん回数をこなしていくにつれ、自然な感じで変身できるようになりました。たとえば、最初のころは手元を見ていないとメダルを装填できなかったんですけど、やっていくうちにノールックでメダルを入れられるようになりました。後半エピソードを撮影している頃には、ベルトやメダルのサイズ感覚が肌に馴染んできましたね。
そうです。僕がタジャスピナーを着けてポーズを決めている写真も撮っていただきました。これってけっこう珍しい画ですよね。映司は基本的にベルト(オーズドライバー)とメダルしか触りませんから。
やっぱり僕にとって『オーズ』は特別な存在なんです。初めての主演テレビドラマであり、子どものころから憧れていた仮面ライダーに自分がなれたわけですから。青春時代と共にあった作品でもありますし、僕が一番『オーズ』への強い思いがあるんだろうな、と自負しています。
今回、僕は撮影期間中、出番のない日でも現場にずっと立ち会っていたんです。単純に見たかっただけなんですけどね。古代オーズに関しては、スーツのフィッティングのときから見ていました。何か口を出すとかじゃなくて、見たかっただけ(笑)。そのときからの感想なのですが、オーズのアレンジでありながら、とてもシンプルでいいなと思いました。マントを着け、目の色が赤になっているなど、ちょっとしたアレンジ具合が今回の作品を象徴するキャラクターとして、よくマッチしているなと感じたんです。テレビシリーズのころから「800年前の王」について言葉では触れているものの、実際に形となって現れたことはなかった。今までずっと、気になっていた存在をここで出すか!と感心しましたね。
4年の歳月を経て、また新たにパワーアップした「オーズドライバー」を皆様の元にお届けできるというのは、僕にとってもすごく光栄なこと。いつも応援してくださる皆さんのおかげだと思っています。『オーズ』という素敵な作品に巡り合えた上に、こんな素敵な玩具商品が出るというのは、とても喜ばしいです。ぜひみなさんも商品をお手に取って、精密なディテールをくまなく観察したり、収録音声の数々を楽しんだり、どんどん遊んでもらって『仮面ライダーオーズ/OOO』に思いを馳せてくださると嬉しいです!
© 石森プロ・東映