放送当時(2004年)に発売された「DX」版もすごくよく出来ていると思っていましたけど、今回のは形といい色といい、撮影のときに僕が使っていた小道具と同じイメージで、驚きました。ギャレンバックルの小道具(アップ用)は『仮面ライダー剣』の終盤でギラファアンデッドと戦ったとき、ボロボロの状態に改造されてしまって、その状態で現存しているんです。僕はずっと、ブレイド、カリス、レンゲルのバックルはきれいなままで残っているのに、ギャレンだけ壊れている状態なのは寂しいなと思っていたので、今回CSMになったギャレンバックルを見ると、なんか「生まれ変わってくれた」みたいな思いになります。
見た目は当時の小道具と印象が同じなのに、こちらはさらに『音が鳴る』わけですから、まさに本物以上ってことですね。変身ポーズを取ったあとのタイミングで『板(オリハルコンエレメント)』が投影されるのも凄いです。『rebirth』はブレイバックルにも収録されていたそうですから、ギャレンバックルにも入れてもらうのはもう必然ですよね(笑)
今回は事前に放送当時の音声を聞き込んで、同じ速さ、同じイントネーションでセリフを喋ることを意識しました。第1話、剣崎の回想シーンで橘が自己紹介するときの『俺は橘、ギャレンだ。力を合わせて2人で頑張ろう』なんて、今までずっと普通の速さで喋っていると思ったら、実際はすごく早口なんですよ。テレビを観ている人は、そりゃ聞き取れないよなあって(笑)。こういうところも忠実に再現して、めっちゃ早口で収録しました。他にも、信じられないくらい早口で喋っているセリフが結構あって、なんでなんだろう? と自分で思いますね。でも、当時はこんな感じだったんだなあと、新鮮な気持ちで収録に臨むことができました。
今回収録した中で、特にこだわったのが第3話の『俺の体はボロボロだ!』なんです。これも最初に思っていたのと違って、わりと早口で喋っていましたね。最初にOKを頂いたセリフが少し気になっていたので、一通りセリフの収録が終わった後で、もう一度録り直しました。次は、第21話で睦月を橘が鍛えるシーンでの、『 3!』ですね。これ、当時は台本を読んでずいぶんヘンな訓練だなあって思っていたんです(笑)。150kmで飛んでくるボールに書いた数字を読み取って動体視力を養うのですが、今回の商品には『3!』だけじゃなくて『1』から『9』までの数字をランダムに読み上げる特訓モードもあるそうです。橘との訓練を疑似体験することができます!あとは、第4話の『そのパズルのピースは、俺が飲み込んだ』も印象に残りました。改めてセリフを収録していても、“俺、何を言ってるんだろう”って戸惑いましたからね。当時も台本を読みながら『おかしいよな〜』って思っていました。カッコいいところでは、第47話の『この距離なら、バリアは張れないな!』が好きですね。ここではギャレンのスーツに入らせていただいてギラファアンデッドと戦い『割れ面』までさせてもらったこともあって、思い出深いシーンです。
まず左手を握り締めるんですが、そのとき手に思いっきり力を入れて『グー』にすることが重要です。ここで気持ちを引き締めて「変身するぞ」という意思を高めるんです。あとは、手元を見ないでバックル部分にカードを装填させること!これすごく難しいんですよ。僕たちも毎回やっているわけじゃないけど、何度かはやらないといけませんでしたから。でも一発でスパンと決まったときは、気持ちがいいんです。
本当に、ファンの皆さんには感謝の言葉しかありません。
放送が終って16年もの歳月を経てもなお、長く愛してくださる作品に出演することができて、心から嬉しく思っています。このたび、CSMでギャレンバックルが出るということで、先にブレイバックルで自慢をしてきた椿に、自慢し返してやります(笑)。ぜひみなさんも商品をお手に取って、楽しんでください!
© 石森プロ・東映