

正直、ついに来たか……!という気持ちになりましたね。
僕自身、次はぜったいブレイバックルを商品化してほしくて、アンケートに参加しましたから(笑)。
次のCSMに(ブレイバックルが)決まって、ほんとうに嬉しかったです。
はい。バンダイさんからいただいたのを大事に持っています。今は実家のほうに置いていますけれどね。
初めて商品を手にしたときは嬉しくて、実際に動かして遊んでいたりしました。
塗装の仕方が基本的に違いましたね。
玩具だと、子どもたちにアピールしやすいようにピカピカ光っている部分が多いようです。
また、腰に巻くベルトの部分が小さくて、大人では巻けないですよね。
違っているのはそれくらいで、撮影用の小道具と商品(DX)って、外見上はわりと似ているんですけれど、やっぱり玩具と本物(小道具)では、気持ちの込め方が大きく変わります。
玩具っていうのは、子どもたちが楽しく遊ぶために存在するものですから、僕も気楽に触ることができるんです。しかし、撮影用のベルトはそんな気持ちでは触れません。
スタッフさんからは“これはお前の命だと思え” “ぜったい大事にしろよ!” なんてずっと言われていましたから、うっかり落としたりなんてできませんし、すごいプレッシャーがありました。


玩具的に“省略”した部分や、見栄え重視で派手な色をしていた部分がなくなって、劇中小道具の印象に近い外見ですね。ぱっと見たときの印象も、小道具に近いです。
うっかり壊したりできないという、撮影時の緊張感を思い出しますね(笑)。
あと、このDX版のベルトを手にしてきて『これにサインしてほしい』という方にもたくさんお会いしました。
確かに、たくさん収録しましたよ!
ベルトの中から自分の声が聞こえてくるというのは不思議な感じです。たとえば『変身!』という言葉でも、お客さんが僕(の声)と同時に叫ぶことができるという。「剣崎」へのなりきり感覚がすごいのではないでしょうか。
めっちゃ大変でした(笑)!
まず、当時の剣崎の声を再現するということが難しかったです。撮影時は、アンデッドと戦いながら喋ったり、映像を観ながらアフレコでセリフを入れたりと、鬼気迫る状況の中で思わず発している言葉が多かったんです。それを部分的に切り取って、相手もいなくて自分のセリフだけをしゃべるというのは、けっこう難しいんですよ。淡々と、独りごとを繰り返している感じでした(笑)。
『橘さん!なぜ見てるんです!橘さん、ホントに裏切ったんですかッ!?』は挙げておかないといけない気がしたな(笑)。
次は『1人犠牲者が出るたびに、痛みに変えろ。アンデッドなんてやっつけてやるっていう、バネに変えろ。俺たちはそうやって、生きるしかないんだ。辛いことを、悲しいことを全部!バネにして、生きていくしかないんだ。』が好きですね。
ほかにも『君の言う通りかもな。待っててもヒーローなんて来ない。だから、だから、俺がみんなを守るって決めたんだ!たとえ今、きみ1人守るのがやっとでも、あきらめない。運命に負けたくないんだ!』もいいと思います。
始に向かって放った言葉では最後の、『俺たちは二度と会うこともない、触れ合うこともない。それでいいんだ……』というのが、哀愁があっていいですね。
劇場版からも選ぶと『始!目覚めたばっかで、またおねんねか!立て!行くぞ!』なんてどうですかね。『おねんね』なんて、なかなか日常では言うことのないセリフです(笑)。

厳密に言うと、変身のときの手の角度とかは、そんなに重要ではないんですよ。
剣崎と同じく、余裕も何もなく、ただ目の前の人をアンデッドから守りたい、という気持ちを込めていれば、カッコよく変身ができるんじゃないでしょうか。僕の動きは1年間の撮影によって、完全に染みついてしまっていますので、誰かに教えられるようなものじゃないんです。


ついにブレイバックルが発売されます。
この商品を見ていると、『仮面ライダー剣』撮影の時のさまざまな思い出が頭をよぎります。
あのころ、僕は変身ベルトを巻いて、完全に身体になじむまで変身ポーズをやり続けました。
みなさんもぜひ、変身の動きが身体になじんでしまうまでCSMブレイバックルで遊び続けてほしいです!
© 石森プロ・東映