物語のコンセプトを一足のスニーカーで表現


デザインに溶け込む遊び心の効いた仕掛けの数々

気の利いたギミックはこれだけに留まらない。まずはヒール部に配置された、仮面ライダーWが変身ベルトに差し込むUSBメモリ型の「ガイアメモリ差込口」。スニーカーを並べ、後部から見た時のストラップが表現した「Wの胸のライン」。ソールを合わせることで完成する「HENSHINロゴ」。二人の思考の部屋をイメージした左右違う絵柄の「インソール」など、遊び心が存分に詰まっているのもType Wの特筆すべき点である。
通常、これだけ多くのギミックを盛り込めば、どうしても全体的にトイライクになりがちだが、そうなることなく華やかさとスタイリッシュな雰囲気を持ち合わせた仕上がりは流石の一言。


もちろん今作も、仮面ライダーWへのオマージュを随所に盛り込んだデザインから、数々のギミック、アッパーやソールなどの各部パーツ、素材使い、そして成形に至るまで、すべての工程をフルオリジナルにこだわり完成させている。
仮面ライダーWが持つ物語性や特徴を、本作のイメージからブレることなく一足のスニーカーで表現しきることは容易ではない。平成の仮面ライダーたちが築きあげた栄光の歴史を背中に感じながら、また、ファンを魅了しなくてはいけないという使命感がそこには存在するからこそ、Type Wの制作に関わった多くの作り手たちの想いがここに形になったと言えるだろう。逆に言えばその心地よい「圧」こそが、ハイクオリティな一足を仕上げる原動力となっていたのかもしれない。
スニーカーとしての使命をまっとうすべく、しっかりと手入れをしながら末永く履いてもらいたい気持ちもあるが、デザイン性の高い専用バッグ/ボックスとともにこだわりのコレクターズアイテムとして、楽しむこともできる逸品なのは間違いない。





